ベテラン添乗員が選んだ 日本の新幹線の車窓から見える感動の絶景ポイント10選
9月に西九州新幹線が開通すると、日本の新幹線は10路線になる。北海道から九州まで、その車窓からは美しい日本の景観が望める。写真に撮りたい各路線の絶景ポイントを専門家が選んだ。
1位 東海道新幹線 (富士山・三島ー新富士)
雄大な山の姿 印象深く
頭を雲の上に出した日本の最高峰。冠雪をした姿が定番だが、青々とした夏の富士も美しい。特に「静岡県で上りの蒲原トンネルの闇を抜け、突然左手に姿を現す壮大な富士山は新富士駅を過ぎて三島駅手前まで車窓の額縁にぴたりと収まる。新幹線で見る日本一の絶景。
2位 北陸新幹線 (立山連峰・富士駅付近)
そびえ立つ峰々の存在感
新潟県の糸魚川付近から富山県に向かう車窓からは間近に日本海が望める。夏は穏やかだ。富山県が近づくと、「市街を行く車窓から立山連峰がそびえ立つ光景が見られる」
3位 山形新幹線 (板谷峠・福島ー米沢)
峠越え スイッチバック遺溝も
山形新幹線は福島駅を出発して山形との県境が近づくにつれ速度を落とす。奥羽山脈を貫く鉄道の難所、「急峻で山に挟まれるような板谷峠」だ。在来線を走るミニ新幹線ならではの旅情が味わえる。
4位 秋田新幹線 (生保内渓谷・雫石ー田沢湖)
迫る山肌と広がる渓流の美
岩手県の雫石駅と秋田県の田沢湖駅を結ぶ線路に沿うように川が流れる。「迫る山肌と広がる渓流の風景が繰り返して現れて車窓から目が離せない」「四季がはっきりしており、撮影ポイントが多数散らばっているので撮り鉄にとっても人気の高い区間」
5位 東北新幹線 (岩手県・盛岡ーいわて沼宮内)
内部富士に東北の旅実感
岩手山は東北新幹線の車窓を代表する山。「盛岡周辺から展望でき、なだらかな稜線が綺麗」で、「故郷の山として東北の人々に愛されている雄大な姿はここに沁みる哀愁の景色」別名は「南部富士」。
6位 北海道新幹線 (函館山・木古内ー新函館北斗)
北の大地を訪れた感慨
函館山はかつて青函連絡船で北海道を訪ねる人を出迎える象徴だった。「今は新幹線で北海道入りした人を迎えてくれる存在となり、感慨深いものがある」「車窓から遠望できる函館山は津軽海峡を越えて北海道に入ったことを実感させる際は見逃さないようにしたい。
7位 九州新幹線 (八代海・新水俣ー出水)
海と島の眺望 みかん畑も
熊本県の新水俣から鹿児島県の出水駅へ南下するとき、車窓右側に八代海が望める。ただ「海を見ることができるのは、トンネルのわずかな間なので注意が必要」九州新幹線で唯一海が見える区間。「トンネルを抜けると視界が開け、八代海に浮かぶ天草諸島の景色が10秒ほど広がる」「トンネルの合間に見える太陽の光を浴びて青く輝く八代海と深い緑のみかん畑が美しい」
8位 山陽新幹線 (臨海工場群・徳山駅付近)
穏やかな瀬戸内海 夜景も人気
新大阪と博多を結ぶ山陽新幹線は山口県の徳山駅付近で海に近づく。「徳山駅付近はカーブがきつく、速度を落として通過するので臨海工場群がゆっくり眺められる」昼間はタンカーの行き交う姿が望め、「背景には波穏やかな瀬戸内が垣間見れる」
9位 上越新幹線 (越後平野・燕三条ー新潟)
平野に川、山広がる田園風景
上州(群馬県)と越後(新潟県)を結ぶ上越線に由来する路線。「燕三条駅付近に広がる越後平野の眺めは上越国境を長いトンネルで抜け越後までやってきたことを感じさせる」車窓からは「豊かなコシヒカリの田園を展望できる」
10位 西九州新幹線 (武雄温泉ー長崎)
新車両「かもめ」令和4年9月23日開業
9月23日に開業予定の西九州新幹線は10路線目の新幹線となる。佐賀県の武雄温泉駅では博多駅との間を運行する在来線特急列車と同じホームで乗り換えられる。博多駅ー長崎駅間は最速1時間20分で結ばれることになる。
まとめ
改めて高速の車窓から各地の景色を眺めると、居眠りするのはもったいない。「今どこを走っているんだ」と地図と景色を重ねるのも楽しい。日本を代表する山々や広大な水田、かなたに望む海、工場群。日本各地の個性を凝固して体験できるのが新幹線からの景色だ。